目の前で起こっていることがみんなつながっている
雨、雨、雨、雨、雨、雨、、、、、、、、、、、、、、、
昨日は、明け方に、水の音の激しさが不穏すぎて、目が覚めてしまいました。
窓を開けて外を見てみると、
視界が水しぶきで真っ白でした。
シューッと降りしきる雨。
近所のお家の雨どいから落ちる水しぶきがジャバジャバジャバジャバと激しく流れ出てきて、道路は高いところから低いところへと水が波のように流れていました。
近所の鴨川の流れがゴォウ、ゴォウと遠くに聞こえてきました。
怖かったです。
再び、寝ようと布団に入りましたが、目がさえてしまって眠れなくなってしまいました。
幸い、昨日は、午前中には雨がおさまってきました。
しかし、今朝になって、再びものすごいどしゃぶりになって、また大雨警報が出されました。
しかも、この雨、これから一週間近くも続く可能性があるとのこと。
各地で激しい自然災害が起こり、テレビのニュースでも、数十年に一度の災害級の雨です、どうぞ、みなさん命を守る行動をしてくださいと訴え続けます。
コロナ禍のなか、さらに自然災害にまで襲われるなんて、、、
誰もがそんな思いに陥っていると思います。
あまりに様々なことが起きて、私は、目の前に展開していく出来事を、自分の目の前の激しい現実と自分の感覚が解離していく感じで、ボーゼンと見ていることしかできません。
ここ数ヶ月、どこか自分の時間が止まってしまったような感じもしています。
パオロ・ジョルダーノの『コロナ時代の僕ら』、アマゾンでベストセラーになっていて気になっていたのですが、今になってやっと読みました。
緊急事態宣言が出されている時は、正直、自分の目の前の世界に何が起こっているのかよくわからなくて、コロナのこととか、感染症のこととか、何も考えられませんでした。
日々飛んでくるニュースの情報だけで頭がパンクしていました。
今、やっと、少しずつ、何が起きていたのかということを考えたいと思い始めました。
やっと自分の中で、とまってしまった時間と、思考停止に陥っていた意識を取り戻しつつあるような感じです。
ウィルスは生命体
私は、新型コロナウィルスという、目に見えない恐怖が、そもそも、一体なんなのかということすら、自分の中で把握することができていませんでした。
とにかく様々な情報が溢れていて、
ウィルスは目に見えないけれど、確実に存在している。
なんだか、お化けみたいだと思いました。
ジョルダーノさんが書かれたエッセイ集であるこの本には、Covid-19と、このパンデミックについて理解を深められるヒントがたくさん散りばめられていました。
CoV-2(注:コロナウィルスのこと、 この本で作者は省略してこう呼んでいる)は人類が知る限りもっとも単純な生命体だ。その行動を理解するためには、僕らもウィルスの低い知能レベルまでいったん降りて、ウィルスが見ているように人間を見てみないといけない。さらに、CoV-2は僕らの個性にたいし、ほとんどなんの監視も持っていないという事実も覚えておく必要がある。僕らの年齢も、性別も、国籍も、好みも、CoV-2にとっては無意味だ。ウィルスの前では人類全体がたった三つのグループに分類される。まずは感受性人口、つまりウィルスがまだこれから感染させることのできる人々で、感受性保持者とも呼ばれる。次が感染人口、ウィルスにすでに感染した感染者たち。そして最後に隔離人口、ウィルスにはもう感染させることのできない人々だ。(中略)問題のCoV-2感受性人口はー新型ウィルスがまだ感染させることのできる人々は〜七五億人近くもいる。
新型コロナウィルスは、ウィルスという生命体である。
私は、この本を読んで、このことを、やっと理解することができました。
ウィルスの立場になって考えてみると、
ウィルスが生き延びるためには感染して宿主を持たなければならない。
そして、ウィルスが変異して、人間に感染できるようになれば、七五億人という膨大な宿主を得られる可能性が拡大し、生存に有利になるということ。
つまり、ウィルスが変異して新型になり、人間に感染することができるようになるというのは、
ウィルスにとっての生存競争なのだということを
やっと理解しました。
環境破壊によって感染症の危険が増えている
人が増えすぎた、都市に人が集まり過ぎている。
それが、今回のパンデミックの原因であると、頻繁に言われていました。
それって、人が増えすぎたから、人口を減らそうとする、そういう自然の動きなのかなって思っていました。
でも、そうではありませんでした。
人が行ったことが、めぐりめぐって、引き起こされている
ということを理解しました。
ウィルスは、細菌に菌類、原生動物と並び、環境破壊が生んだ多くの難民の一部だ。
つまり、人が増えすぎて、ウィルスなどの宿主であった野生の動物たちが住んでいた場所を奪ってしまった。それに加えて、温暖化を始めとする環境破壊が進み、異常気象が引き起こされ、それらの動物たちが生きていた場所が壊され、生きていけなくなってしまった。
地球上に住む生物たちの環境が大きく変化して、大量の生物が絶滅の危機にある。
そうなると、その動物たちを宿主としていたウィルスや細菌たちが、生き延びるために難民となって新しい宿主を探さなければならなくなってしまった。
そうして、その新しい宿主としての、最適な候補が人間だった。
こんなにたくさんいて、なお増え続ける人間。こんなにも病原体に感染しやすく、多くの仲間と結ばれ、どこまでも移動する人間。これほど理想的な引越し先はないはずだ。
人に感染できて、人を宿主にすることができれば、ウィルスは、長く生きながらえることができる。
ウィルスとしては、人間に感染出来る様になるのは、生存競争に打ち勝つこと。
それは、それは、必死で変異していくだろうなぁと思いました。
感染症のパンデミックが頻繁に起きるという予言に対して私たちができること
環境に対する人間の攻撃的な態度のせいで、今度のような新しい病原体と接触する可能性は高まる一方となっている。
私たちは、今、ウィルスの脅威にさらされています。
でも、実は最もたくさんの種族を侵略し、滅ぼしているのは、私たち人間であること。
さらに、地球温暖化の恩恵によって、エボラ、マラリア、デング熱、コレラ、ライム病、ウエストナイル熱など、たくさんの感染症が広がっているとのこと
今後もますます頻繁に発生する可能性が高まっているということ
このことは、とりあえず覚えておこうと思いました。
COVID-19と共に起きているようなことは、今後もますます頻繁に発生するだろう。なぜなら新型ウィルスの流行は一つの症状にすぎず、本当の感染は地球全体の生態系のレベルで起きているからだ。
梅雨だからということが言い訳にならないぐらいに、降り続ける異常な量の雨
毎年のように最高記録を更新している夏の気温
大洪水に、竜巻、山火事といった、世界各地で起こっている異常気象
新たなウィルスや病原体の出現
今、目の前で起こっている出来事がつながっていく。
これから、私たちは、どんな世の中に生きていくことになるのだろう。
そして、自分たちが生き延びるためにどうしたらいいのだろう。
それを考えるときに、この地球には、私たち人間だけではなく、たくさんの生物が生きていて、複雑な生態系で存在していることを忘れてはいけないのだなぁと思いました。
もう、遅すぎるかもしれないけど、少なくとも、環境について考え続けることは、やっぱりとても大事だろうと思います。